五十嵐敬喜法大教授が主宰する「市民の憲法研究会」が、EU本部、及び加盟各国の視察に向かいます。このページでは、視察先と調査内容をみなさまにご報告いたします。
1.主な訪問先と調査スケジュール
日程 | 滞在地 | 視察先 | 訪問相手 | テーマ (クリックすると質問事項へジャンプします) |
9月1日 | ブリュッセル (ベルギー) | EU本部 | 欧州委員会政策顧問グループ グラー氏 | EU憲法 |
9月2日 | ブリュッセル (ベルギー) | EU本部 | 欧州委員会事務局 ウィンターシュタイン氏 | EU憲法 |
9月4日 | ヴェステルヴィーク (スウェーデン) | ヴェステルヴィーク コミューン | 執行委員会委員長 ハラルド・ヒャルマルソン氏 ほか | 市民の政府 (ヴェステルヴィーク編) |
9月5日 | カルマル (スウェーデン) | カルマル市 | 未定 | 市民の政府 (カルマル編) |
9月10日 | ジュネーブ (スイス) | 国連欧州本部 | ジュネーブ軍縮会議議長 国連軍縮大使 猪口邦子氏 | 軍縮・平和 |
9月11日 | ハンブルグ (ドイツ) |
ハンブルグ州政府 | 内務省総務・法務課長 (選挙・住民投票担当) ヴィリ・バイス氏 | 直接民主主義 |
内務省災害予防・ 市民防衛・ 消防救助活動課長 ヴォルフガング・ブラント氏 | 危機管理 | |||
州憲法裁判所長 ヴィルヘルム・ラップ氏 | 憲法裁判所 |
その他、ストックホルム(スウェーデン)、ベルリン(ドイツ)などの市内視察を予定しています。
@直接民主制
・今回の憲法草案には、草案第1部の46条に「100万人以上の署名が集まれば欧州委員会は適切な政策提案を行うよう求められる」という項目が盛り込まれた以外、直接民主主義の規定がきわめて少ない。それはなぜか。EUと市民との距離が離れすぎているとの批判があると聞いているが、今回の憲法草案でもその解決は図られていないのではないか。また、今回の憲法草案を批准するための国民投票も議論されたようだが、結局認められなかった。それはなぜなのか。
A大統領制
・今回の憲法草案では大統領制の採用が大きな注目点となっている。EUの大統領制は、イメージとしてはどこの国の大統領制に近いものか。もし近い国がなければ、大統領制としての新しい発想が盛り込まれているのか。そもそも、なぜ議院内閣制ではなく大統領制を採用したのか。
B権力
・国際連盟、国際連合とも、制裁手段が限られているため、加盟国が秩序を乱す行動に出た場合、止めることができないという議論があるが、警察、軍隊などの暴力装置が、権力維持に必要であるという発想は、EUにも存在するのか。加盟国への制裁が必要な場合、最終的には暴力(軍事力や警察力)もありうるという考え方はあるのか。
C議会
・民主主義の原則からすれば、多くの国が採用するように、市民によって直接選挙された議会が、他の機関よりも強い権威をもっているといえる。EU憲法ではそのような解釈を予定しているか。
・欧州議会はどのような対立軸なのか。政党の色分けは左右対立なのか。
・EU市民は加盟国の自治体議会の選挙に立候補できるが、国会の選挙に出られないのはなぜか。自治体議会の選挙に立候補できるとする理論と、国政に出られないという理論にはどのような違いがあるのか。それぞれに違う原理が働いているのか。
DEU機構
・欧州理事会、欧州委員会、欧州議会の現在の権力関係はどのようになっているのか。そしてEU憲法草案ではそれをどのように変えていこうとしているのか。
・EU大統領は、なぜ直接選挙で選ばれないのか。さらに、欧州委員長を直接選挙で選ぶという提案もあったようだが、結局認められなかった。それはどうしてか。
E分権
・EC条約第3b条第1項について、共同体は条約により排他的な権限が負託されている政策領域の範囲内でのみ行動し、原則としてそれ以外の政策領域はすべての加盟国の任務とする(権限配分の原則)とあるが、この場合の主体は各EU公式文書が明記するように共同体と加盟国政府という2層レベルでは充分に問題に対処できないのではないか。EU憲法の中では、超国家主体(EU)、国家主体(各加盟国)、下位国家主体(地方政府)を具体的にどう位置付けていく方向にあるのか。
・権限配分の原則の解釈と遵守の審査はEU憲法ができた後もやはり欧州裁判所の管轄なのか。
・同体の措置案が第3b条に適合しているかどうかを検討する際の指針、つまり「ガイドライン」の中で、「共同体の目的が加盟国によって充分達成できず、共同体によってより良く達成されると結論するためには、その理由が質的指標あるいは、可能であれば数量的指標で証明されなければならない」とあるが、これはどの主体がどこに提出するのか。そのガイドラインをいただけないでしょうか。また、「Packaging
Waste Directive(1994)」において、このような客観的指標は示されたのか、ご存知なら教えてほしい。
・同ガイドラインには、「加盟国が共同体基準よりも高い国内基準を設定する自由を残すべきである」とあるが、例えば、環境政策(Packaging
Waste など)において、共同体より高い基準を設定した加盟国は自由貿易障害になるとして委員会に提訴されたり、環境政策と通商政策という違う政策分野とのぶつかり合いが生じるなど、実際には難しいのではないか。
・補完性原理の適用を徹底するために、(1)欧州委員会は立法提案を提出する前に加盟国とより広範な協議を行う、(2)その法案が補完性原理に照らして適切かどうかについて、必要があれば、提案に添付する説明でその見解を表明する、(3)欧州理事会と欧州議会に対して欧州委員会は、一般問題理事会を通じて年次報告を提出する、とあるが、具体的にそのような例を教えてほしい。
F財政
・財政管理の原則というのは、国債を発行し、借金をつくることが含まれているのか。(憲法草案第52条)
・「連合の予算は完全に自身の資源から供給しなければならない」(The Union
shall provide itself with the means necessary to attain its objectives
and carry through its policies.) と書かれてあるが、自身の資源とは何を指すのか。もし、税金ならば、加盟国の税金とEUの税金と区別されて徴収される仕組みなのか。(憲法草案第53条)
・どのような政策に複数年財政枠組みが実施されるのか。期間は決まっているのか。(憲法草案第54条)
G憲法制定について
・EU憲法の本当の仕掛け人は誰なのか。EU官僚か、またはフランスやドイツといった大国の首脳か。
・EU憲法草案作りをすすめてきた「コンベンション」(The European Convention)は、105人という多数のメンバーで構成されているが、このような構成になった理由をなにかご存知ですか。ここに市民の意見を反映させる仕組みはなにかあったのか。
HEU機構
・欧州理事会、欧州委員会、欧州議会の現在の権力関係はどのようになっているのか。そしてEU憲法草案ではそれをどのように変えていこうとしているのか。
・欧州委員会の法形式である規則と命令は具体的にどのように分担されているか。
Iその他
・アメリカ合衆国憲法の思想では、「人民の、人民による、人民のための政府」を基本としている。EU憲法では「EU市民の、EU市民による、EU市民のための機関」と解釈することができるのか。それとも、主権国家を主体とする伝統的な国際法の立場から、「加盟国の、加盟国による、加盟国のための機関」と解釈されるべきなのか。
・EU憲法草案57条はEU条約49条をほぼ踏襲していると思われる。この憲法が制定されたあと、加盟手続きに特別な変更は存在するのか。
・欧州議会は、EU全体の代表という理念があるが、現実は各国の個別の利益を代表する政党や議員が登場する可能性がある。その場合、上記の理念は守り通せるのか。
・欧州裁判所(The European Court of Justice)では、加盟国が1名の判事を選ぶことになっている(EU憲法草案28条)。この判事たちは、加盟国の利害から完全に独立した存在になるのか。そのようなことは可能か。
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市民の政府 ウェステルヴェーク編(観光・快適な居住都市として)
@コミューンの方向性
・都市としての方向性は、誰が発案して、どのセクター(行政、国、NPO)が担い始めたのか、現在では、市のどのレベルの計画や方針として位置付けられるか。
・小さなコミュニティとして計画の立案・実施に不利な点はないか十分な予算や人材が得られるか。
・予算が不足する場合には、どのような方法で補うか。
・小さなコミュニティとして、自立する場合のメリット・デメリットはなにか(回答される担当者の個人レベルの実感として)。
・人口の流出、産業の流出の懸念はないか。若い世代は都市の生活や職に引かれやすい。特に、小さなコミュニティとして若者をひきつけておく方策をとっているか。
・観光都市として、季節的な繁閑への対応方法をとっているか。
・観光時期以外の職場の確保方法等の工夫はあるか。
・市民の日常生活の静謐の確保と観光都市としての確立は矛盾しないか。
・まちなみ・景観の保護・整備はどのような手段で行っているか(条例・計画など)。
・観光産業と他の産業の調和についてどのような方策をとっているか(地域的な分離など)。
・今回は見られない特徴的な地域の祭り、行事、伝統などを教えてください。
・観光客の誘致対象は、国内か、EU加盟に応じて何らかの対応をとるか。
・コミュニティとしての住民に対しての責任とると聞いているが、どのような形での約束や責任となるのか(日本の場合は、市長公約、市長の選挙での当落)。
A教育
・スウェーデンでは、コミューン(基礎自治体)が義務教育を管轄することになっているが、日本のように学校をカリキュラム通り教えているかチェックしたり、教師の採用を決める教育委員会のような組織がコミューンにはあるのか。
・学校の予算・評価や教師の人事権など、どこまでコミューンが教育に関わるのか教えて欲しい。
B議会
・日本では人口の6〜7割はいるサラリーマンの中から議員になっている人は少ないが、スウェーデン(ウェステルヴェーク)では、どんな職業の人が議員になっているのか具体的に教えてほしい。
・日本では議員になれば生活に困ることはないが、スウェーデン(ウェステルヴェーク)の議員の給料はどれぐらいなのか(トータルとして、年間どのくらいあるのか)。
・議員一人あたりの有権者数はどれくらいか。
・日本の地方政府では、大統領制が採用されているが、スウェーデン(ウェステルヴェーク)の地方政府では議院内閣制(選ばれた人が行政府を構成する)なのか。
・日本では普通の人が議会に参加するのは休暇を使っても足りないのだが、地方議会の開催日数が年間どれくらいあり、委員会や本会議はどの時間に開かれているのか教えてほしい。
・地方議会の予算のアウトライン(例:教育費がどれくらいなのかなど)とそのうち自主財源がどのくらいあるのか教えてほしい。
・法案の提出は行政が多いのか、それとも議員の方が多いのか。
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市民の政府 カルマル編(ヨーロッパ・ノストラ賞受賞都市・環境都市として)
@都市の方向性
・環境都市としての位置づけと伝統文化都市としての位置づけはどちらが重要か。
・伝統文化都市としての方向性は、誰が発案して、どのセクター(行政、国、NPO) が担い始めたのか、現在では、市のどのレベルの計画や方針として位置付けられているか。
・街並みの保護は、法律・条例などどのような手法をとっているか。
・街並みの保護について市民の参加方法はどのように確保されているか。
・街並みの保護は、環境の保護と相反しないか(旧い建物・街路は、往々にしてエネルギー効率が悪い)。
・環境都市としての方向性は、誰が発案して、どのセクター(行政、国、NPO)が担い始めたのか、現在では、市のどのレベルの計画や方針として位置付けられているか。
・私企業の協力は十分得られているか、企業の立地・誘致に不利なことはないか。
・大学との連携はどのような形をとっているか。
・環境教育は、どの程度優先されて行われているか(その企画は市単位で行っているのか、州、国なのか)。
・対外的なアピールの方針が確定しているか(国内的なアピール、国際的なアピール)
・対外的なアピールを行うことは、市民の意識を高めるのに役立っているか。
・都市間連携(国内的、EU域内、国際的)は行っているか。
・EUへの環境面での働きかけは、国を通して行っているか。直接アピールする場はあるのか。
A議会
・日本では人口の6〜7割はいるサラリーマンの中から議員になっている人は少ないが、スウェーデン(カルマル)では、どんな職業の人が議員になっているのか具体的に教えてほしい。
・日本では議員になれば生活に困ることはないが、スウェーデン(カルマル)の議員の給料はどれぐらいなのか(トータルとして、年間どのくらいあるのか)。
・議員一人あたりの有権者数はどれくらいか。
・日本の地方政府では、大統領制が採用されているが、スウェーデン(ウェステルヴェーク)の地方政府では議院内閣制(選ばれた人が行政府を構成する)なのか。
・日本では普通の人が議会に参加するのは休暇を使っても足りないのだが、地方議会の開催日数が年間どれくらいあり、委員会や本会議はどの時間に開かれているのか教えてほしい。
・地方議会の予算のアウトライン(例:教育費がどれくらいなのかなど)とそのうち自主財源がどのくらいあるのか教えてほしい。
・法案の提出は行政が多いのか、それとも議員の方が多いのか。
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直接民主主義
@直接民主制の思想的背景
・日本の住民投票は必ずしもその結果に従う必要がない非拘束型であるが、ドイツの国民投票もしくは市民投票はその結果が最終結果となる拘束型である。その根拠となる規定がドイツ基本法の中に存在するか。もしくは、それとバッティングしていた規定が過去にあり、基本法の改正が行われたことがあるか。
・日本では国会を唯一の立法機関とする規定が憲法に定められており、この規定が国レベルでの国民投票や地方自治体レベルでの住民投票を妨げていると考えられる。ドイツでも、ドイツ基本法の28条に「州、郡および市町村においては、国民は、…選挙に基づく代表機関を有しなければならない」という規定が存在しているが、この規定が拘束型の国民投票や市民投票を採用することに対して影響を及ぼすことはないのか。もし議論があったとしたら、どのように解決を図ったか。
・それとともに、ドイツでは各州の憲法で「国民による立法権の行使」をうたっている。前述のように、日本の憲法が国会を唯一の立法機関としているのと大きな違いであるが、ドイツでこの規定が州憲法に盛り込まれた際に、ドイツ基本法や連邦法との調整は必要なかったのか。もしくは、ドイツ基本法や連邦法に根拠となる規定があるのか。
・ドイツは基本的に代議制民主主義を採用している国だと思うが、そこに直接民主主義的な制度を採りこむに当たって、例えば、国レベルの国民投票は認めないが州レベルの国民投票以下は認めたり、国民投票や市民投票の対象範囲を限定するときに、何を根拠にある段階までは直接民主制を採用することを認め、または認めなかったりするのか。
A直接民主制の制度について
・ハンブルク州の国民投票やハンブルク州内の各地区における市民投票の実施状況はどうか。その数やテーマ、投票率を教えてもらいたい。また市民の関心度はどうか。
・ハンブルク州の国民投票において、その対象とならない事項(ネガティヴ・カタログ)について
これらの事項はなぜ対象とならないのか。とくに建設計画等の計画や公務員の給料が対象から外されている理由。
逆に、予算に係る事項は多くの州で対象から外されているが、ハンブルクでは対象に入っているのはなぜか。
・国民投票の前段階である国民請求の成立要件(有権者の10分の1以上の署名)の理由、根拠は何か。高いという批判はないのか。必要署名数が集まらずに不成立に終わった事例があるか。その数やテーマ。
・さらに、国民請求に必要な10分の1以上の署名には、有権者が2週間以内に役場に出向いて身分証明書を提示する必要があると聞いています。このハードルは高くないか。なぜ、署名するためにわざわざ役場に出向く必要があるのか。
・州憲法の改正には、50%の投票率と3分の2の賛成が必要ですが、この要件は高すぎないか。改正の動きはないのか。
・国民請求の形式は法案の形でなくてもよいのか。
・バイエルン州を除き州レベルの国民投票)は非常に低調だと聞いている。ハンブルク州での過去の国民投票の事例を教えてもらいたい。また、バイエルン州との差は何か。一般的に州レベルの国民投票が低調なのは、州の立法の管轄権が狭いから(基本法72条)ともいわれているが、低調な理由として考えられるものはなにか。
・前述の通り、ドイツ基本法には、州の領域変更の際の国民投票(基本法29条)しか直接民主制の規定はない。なぜ、憲法(基本法)改正の際には国民投票が必要でないのか。
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危機管理
@法律及び権限
・全体的な危機管理計画、緊急事態宣言、避難命令の法的根拠はあるか
・知事、自治体の首長の緊急時の権限について法に規定されているか。その権限は、事前事後にどのようにチェックされるか。
A災害危険とリスク評価
・州はその災害危険と危険の発生の可能性を特定しているか。
・重要施設、居住・商業施設、ライフライン、交通、産業施設などの建築物に関するデータを体系的に関係方面から収集し、特定の危険に対して生じるリスクの評価を行っているか。
・危険情報あるいは危険情報の入手方法が、州政府、地方公共団体、公共、民間の両セクターの適切な人員や組織に提供されているか。
・州は科学的に的確な危険度評価を採用しているか。それは、州政府や地方公共団体による中長期的被害軽減計画や、緊急時の実施計画策定の基礎として活用されているか。また民間セクターにおいても活用されているか。
・州は、災害危険評価のためにGISを活用しているか。
B被害軽減措置
・州は、洪水による損失が繰り返し生じている地域を特定することができ、その問題を解決する戦略を持っているか。
・州は、災害危険度評価、災害対応プログラム運用・実施の経験の結果に基づいて被害を軽減するための被害軽減戦略を持っているか。
・州は、住民に災害防止の指導、訓練、公的教育材料、技術援助、役立つ州の諸資源を提供することによって、災害に強い地域社会づくりに貢献しているか。
・州は、最悪の被害を想定して優先事項を定めた計画に従って、被害軽減に関するプロジェクトや構想を実行に移しているか。
・州は、災害に強い地域社会づくりを行っている自治体、NPOに援助を行っているか。
・州は、被害軽減の努力の結果、実際の費用節約がどの程度であったかを評価しているか。
C資源管理
・州に危機管理の一元化した組織はあるか。そこに、フルタイムの長官はいるか。
・危機管理組織に十分な職員はいるか。職員は専門職か。十分な訓練を受け、知識と経験をもっているか。
・州は、大量破壊兵器を伴うテロ事件に対する適切で十分な設備を有しているか。(防護服、放射能等検知器、化学・生物兵器を特定できる設備、除去装置等)
・州は、民間部門の責務と資源について把握し、州の計画に定めているか。
・州は、テロに対する自治体、民間企業、団体の取り組みを把握し、支援しているか。
D計画策定
・州は、総合的な被害軽減計画を定めているか。この計画には、具体的な目標が定められているか。州政府、自治体、民間企業・団体、市民は計画策定に実質的にさんかしているか。州政府、自治体、民間企業・団体、市民のそれぞれの任務は特定され、州はこれを支援する戦略をもっているか。
・州は、被害軽減計画の年1回の評価及び更新の仕組みを整えているか。
・損失を最大限減らす対策を特定し、優先的に実施しているか。
・州は災害発生時の応急対応計画を作成しているか。この計画には、応急対応に関係するすべての政府機関、民間企業・団体、市民、ボランティアの任務や目標が示されているか。目標は、時系列的に整理され専門家でなくても目標の達成に貢献できるようになっているか。
・州は、応急対応計画に基づいて、少なくとも年1回の訓練、評価及び更新の仕組みを整えているか。
・ライフラインの危機管理計画は、州によって把握されているか。州とライフラインは、同一の被害想定、システムに基づき危機管理計画を定めているか。
E緊急対応センター
・緊急対応センターの業務マニュアルが定められているか。センターの要員は、毎年必要な訓練を受け、これに基づきマニュアルの手続き、活動指針は評価、見直しされているか。
・緊急対応センターにはどのような資源があるか。緊急対応センターでは、被害軽減のための情報提供、教育もできるか。
・緊急時に対応する警察、消防、軍との情報共有化の仕組みは整えられているか。必要な情報は、自治体、報道機関、民間企業・団体、市民へも提供されるか。
F指揮・調整
・緊急時の指揮系統は整備されているか。責任者が欠けた場合の職務代理の手順は定められているか。
・緊急時に対応する、自治体、警察、消防、軍との間で調整の手順は定められているか。
・連邦政府、全国的なボランティア団体等との調整の手順は定められているか。
G教育・訓練
・州または自治体は、学校教育で効果的な危機管理教育を行っているか。それは、カリキュラム化されているか。
・州または自治体は、市民や地域社会・企業が自ら危機管理をするための啓発を効果的に行っているか。
・州または自治体は、一般職員に効果的な危機管理訓練を行っているか。それは、カリキュラム化されているか。
H緊急時の行財政
・州または自治体は、災害復旧のための資金を信託または積み立ての方法で準備しているか。それはどの程度あるか。
・州または自治体は、被災者への現金給付による支援を行うか。それは、明確にルール化されているか。他の支援もルール化されているか。
・州または自治体は、災害復旧のための都市計画決定の特別な手続きは定められているか。都市計画決定を市民参加で進めているか。
・州は、緊急対応時の物資、設備、サービスが不足したときの調整手続きを事前に定めているか
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憲法裁判所
@州の憲法裁判所の役割
・憲法裁判所の役割は、議院内閣制による強大な立法権・行政権の一体化から、理性の府として市民の人権を保障することにあると理解してよいか。
・前項の例になった判例があれば、教えていただきたい。
A抽象的違憲立法審査権
・連邦の憲法裁判所では、法律そのものの無効を宣言する抽象的違憲立法審査権の行使に慎重になり、合憲限定解釈や法律無効の効力を生まない違憲確認判決、さらには違憲警告判決が多用されるようになったとされるが、州の憲法裁判所でも同様の傾向はあるか。それは、なぜか。
・日本では、法律の憲法適合性は行政府の内閣法制局で事前審査し、その権威は絶大であるが、州にもそのような機関はあるか。
・憲法裁判所が、立法府や行政府の依頼を受けて法律の憲法適合性を審査することはあるか。
・具体的な訴訟無しで、抽象的な法律の違憲審査をするのは困難ではないか。合憲、違憲のどちらとも決めがたい場合、法判決以外に、法律を正当に運用するための勧告などの措置はあるか。
B憲法異議
・憲法異議は、原告が通常裁判所、憲法裁判所の選択をできるのか。最初から憲法裁判所に持ち込まれた場合、一審制ゆえの問題はないか。
・日本では、処分性や原告適格のハードルが高く実質審理に入らない事案が多いが、ドイツではどうか。また、処分性や原告適格は通常裁判所と憲法裁判所とは同じか。
・通常裁判所の最高裁判所の判例を覆した、重要な憲法異議の判例があれば教えていただきたい。
C州の憲法裁判所、連邦の憲法裁判所、EUの憲法裁判所
・表現の自由への侵害などどの憲法にも抵触する事案については、管轄はどうなるのか。また、管轄外の事案については移送など調整の権能はあるのか。
・EUの憲法裁判所の機能は、ドイツのような高度な裁判機能をもった国に対して、どのように機能するのかご意見を伺いたい。
D裁判官の選出
・連邦裁判所では、全体の6名は5つの最上級裁判所の裁判官から、10名は大学教授または政治家から選出されると聞いているが、州ではどうか。また、実際にはどのような人が選ばれるのか。
・ドイツでは裁判官は政治色が強いが、日本では政治的に中立でなければならないという建前がある。この功罪についてのご意見を伺いたい。
E直接民主制との関係
・アメリカでは、州での住民投票の結果が違憲性の高いとき、連邦最高裁が違憲判決を出すが、ドイツの憲法裁でそのような事例はあるか。
・国民投票や市民投票で出された最終結果に対して、憲法裁判所が違憲判断を下すということは国民主権に反するということはいえないのか。そのような議論はあるか。思想的根拠はあるか。
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