憲法を恐れることなく大いに論じて
21世紀の国の姿にふさしい新憲法案を
市民自らの手で創り国会に上程しよう!

 2年前に国会に設置された憲法調査会は、近く「中間報告」をまとめ、さらに2年後をめどに「最終報告」をまとめる予定で、それとタイミングを合わせて自民党は憲法改正案を世に問おうとしています。すでに改憲に必要な国民投票を実現するための法案も準備されており、憲法改正は確実に政治日程に組み込まれつつあります。

 自民党案はおそらく、かつて読売新聞社が独自に発表した改憲案と同工異曲の、「集団的自衛権」の容認など第9条の骨抜き化、国民の権利だけでなく義務の強調、官僚主導の中央集権体制の維持・強化など、“国権”を一層強化する時代錯誤的なものになることは目に見えています。それに対して、野党側は総じて取り組みが遅れていて、このままでは野党側としてまとまって、しっかりと“民権”の立場に立った対案を打ち出して対抗することができるかどうか、見通しは不透明のままです。
 これでは、国民は、国の将来を決する憲法論議に参加できないまま、自民党改憲案のごり押しとそれに対する旧来型護憲派の抵抗を遠くから眺めているだけ、ということにもなりかねません。そんなことで国のあり方の根本である憲法が書き換えられてしまうとしたら、とんでもない話です。

 もはや憲法論議を国会と政治家、いわゆる専門家だけにまかせておくことはできません。私たち自身が、草の根から無数の憲法論議を巻き起こして、世紀のこの国のあり方を大いに論じあい、それを私たちの言葉で1つの体系的な新憲法案に仕上げていきながら、与野党を問わず良心的で開明的な政治家たちの協力を得て国会に上程することをめざす、一大《新憲法創造運動》を展開することが必要です。

 2002年4月26日に《市民版憲法調査会》を発足させ、約1年間をかけて私たちの新憲法草案を創り上げ、それをさらに広範な人々の議論に委ねつつ完成させていくようにしたいと思います。